遺産整理

遺産整理業務とは、相続の発生により相続人等が法律上及び事実上、相続(登記・登録名義の変更)するまで、依頼者と共にあるいは依頼者に代わって、役所への戸籍謄本の請求から遺産分割協議書の作成や裁判所・法務局への申立て・申請まで行う業務です。

ご希望の方には、相続税などの簡易評価や税理士を紹介します。

遺産整理業務の流れ

  1. 相続人の特定(戸籍謄本によって、相続人を完全に特定します)
  2. 遺産の特定(簡易な財産目録を作成します)
    ご希望の方には、この時点で簡易な相続税評価額を算定いたします。
  3. 各相続人の相続財産を決定
    ①自筆証書遺言が存在する場合→家庭裁判所へ遺言書検認申立て
    ②公正証書遺言が存在する場合→原則として、遺言書に基づく相続
    ※遺言執行人が選任されている場合は、原則として遺言執行人が行います。
    ③遺産分割協議(上記の遺言が存在しない場合
  4. 各遺産を相続人へ名義変更と引渡し

報酬金額は、原則として遺産評価額×3%。最低報酬金額は¥300,000(税別)です。

遺産分割協議の解説

相続人全員による協議によって遺産の分割方法を決定することです。自筆証書遺言書または公正証書遺言書が存在する場合でも、遺言執行者が就任しない場合は、相続人全員の協議によって、遺言の内容とは相違する分割方法とすることも認められています。

自筆証書遺言と公正証書遺言の解説

自筆証書遺言 公正証書遺言
概要
  1. 「全文」「日付」「氏名」を自書し、「押印」すること。
  2. 家庭裁判所で検認が必要です。
公証役場にて、遺言者が公証人に対して証人2人の立会いのもと口述する方法が一般的です。
長所
  1. すぐにでも作成できます。
  2. 費用がかかりません。
  1. 内容が明確で、遺言書に基づく不動産の名義変更などが確実です。
  2. 紛失や偽造・変造される恐れがありません。
短所
  1. 要式が整っていない場合、無効となる恐れがあります。
  2. 紛失や偽造・変造される恐れがあります。
  1. 準備が必要です。
  2. 費用がかかります。
アドバイス
  1. 作成時の「住所」も自書してください。
  2. 「押印」する前に、法律専門家(利害のない第三者)に要式の確認をしてもらうことをお勧めします。
  3. 遺言執行人を選任しておくことをお勧めします。
  1. 費用と準備が必要なので、何度も作り直すことがないように遺言の意思がはっきりと固まってから作成しましょう。
  2. 遺言執行人を選任しておくことをお勧めします。

遺言執行の解説

遺言書にて、遺言執行者を指定することができます。また、遺言執行者の指定を第三者に委託することもできますが、一般的には特定の人(相続人の一人・弁護士・司法書士など)に予め就任の内諾を得た後に、遺言書に記載します。

遺言者が死亡すると、遺言の効力が発生し、遺言執行者は各相続人に就任の受諾または辞退の通知をします。受諾した場合は、遺言執行者によって各遺言事項が執行されます。辞退した場合は、家庭裁判所に遺言執行者の選任の申立てをするか、あるいは、相続人によって各遺言事項を執行することになります。遺言執行者は、遺留分減殺請求を受けるなど訴訟の当事者になることもありますので注意を要します。

富田和男司法書士事務所では、遺言に関するご相談や遺言執行人就任のご依頼を承っております。遺言執行人の報酬金額は、原則として遺産評価額×3%。最低報酬金額は¥300,000(税別)です。